お知らせ

2024/09/15 お知らせ

Kさんのお看取り

Kさんとお別れの日

先日、数年にわたり身元引き受け人としてお支えしていたKさんのお看取りを行いました。出会いは数年前。初めてお会いした時から、最期の時まで安心して過ごせるように寄り添ってきました。その日がついに訪れ、Kさんを静かに見送りました。

ご家族も他界され、孤独と自分がどう最期を迎えるかという不安を抱えていて私たち看取り士のサポートを受けることを決め、そこから私たちの付き合いが始まりました。

 

日常の中で育まれた信頼関係

Kさんとの日々は特別なものではなく、穏やかで安定した時間が続いていました。彼の体調が少しずつ変わっていく中でも、日々の会話を大切にし日常の中からKさんの声を聞くことが私たちの役割でした。

Kさんは昔の思い出を語ることが好きでした。その中で人柄や生きてきた歴史を知り、私も深く寄り添っていきました。

「もしその時が来たら、どうしてほしいか」という話題にも、静かにそして時には冗談を交えながら答えてくれました。望みは「最後の瞬間まで穏やかでありたい」ということでした。

 

お看取りの瞬間

容態が急に悪化したある日、安らかにベッドに横たわり穏やかな表情をしていました。Kさんの手を握り、最期の時まで一緒にいることができることに深い感謝の気持ちが湧いてきました。

言葉では言い表せない瞬間でしたが、彼の顔にはどこか安堵の表情が浮かんでいたように思います。

Kさんの人生の最期に立ち会えたことに、私は深い感謝と敬意を感じました。Kさん望んだ「穏やかさ」を感じ取ることができ身元引き受け人として、また看取り士としての役割を全うできたと思っています。

 

お葬式の準備とその日

その後、事前に聞き取りを行なっていたご意向に従い、シンプルで心温まるお葬式の準備を進めました。生前から、「派手なお葬式は嫌だ」と言っていたので、葬儀の場は、思い出が詰まったご家族の写真や手紙が飾り、生きた証を丁寧に表現させていただきました。

Kさんが安らかに旅立っていき、ご縁が続いたこと最期まで見守り続けられたことに感謝の気持ちが溢れました。

最後に

この経験を通して改めて感じたことは、看取りとはただ単に最期を見守るだけではなく、その人の人生を最後まで共に歩み、支え続けることだということです。Kさんのように最期の時を穏やかに尊厳を持って迎えることができるよう、多くの方に寄り添い続けることが私たちの役割だと強く感じました。

孤独死を防ぎ、尊厳ある最期をサポートするためにこれからも一人ひとりに寄り添う看取り士としての活動を続けていきます。

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